NPO法人 日本似顔絵アーティスト協会

Member Interview vol.1


Member Interview vol.1
『ぜんごゆうこ さん』

(聞き手・Kage)

全国各地で活躍する、
日本似顔絵アーティスト協会の皆様の、
多種多様な考えや働き方をご紹介する、
Member Interview。

第1回は、
関東を中心に活動するフリーランスの似顔絵アーティストで、
当協会副理事の田畑伴和さんを夫に持つ、
ぜんごゆうこさんに、ご登場頂きました!

―本日はよろしくお願い致します!
まずは似顔絵を始めたきっかけから教えて下さい。

もともと美術の成績は良いほうで自分も好きだったので、デザインの専門学校に進んだのですが、実は絵だけは苦手でした(笑)。
似顔絵を始めたのは2004年頃。夫(田畑伴和)と結婚してからです。最初は楽しみで似顔絵を描いて、週刊朝日の似顔絵塾に投稿していました。
ある時、夫が地元・静岡のお祭りで似顔絵を描いているのを手伝っていた時、あまりに長い行列を見て「もし私も一般のお客さんを描けたら、行列が半分になって売上が倍になる!」と思ったのが、プロになるきっかけでした(笑)以降、横浜や近隣のフリーマーケットに出店して、似顔絵を仕事として始めました。

―現在はどんなお仕事をしていますか?

イベントに出張して似顔絵を描いています。直接お客様を描くのは好きなのですが、現場だと他のアーティストさんとの売上の違いとか、その他諸々苦手な要素が多くて、、。基本的には企業から依頼を受けて、お客様にはサービスとして提供する、イベント出演だけを受けています。
それ以外では、デジタルで夫が作画した似顔絵やイラストに、私がカラーリングしたりとか。まるでマンガ家のアシスタントのようなお手伝いもします。また、夫の実家である、看板屋の仕事の手伝いで、デジタルの作業を必要とする看板のデザインやトレースなどもやっています。

―子育てをしながらの似顔絵の仕事は大変ではないですか?

ウチは今5歳と2歳の子供がいますが、夫と一緒に子育てをしているので、母だからとか女性だからとかで、大変ということはありません。
例えば、私がご飯をつくっている間は、夫が子供を見ていて時にはおむつをかえたり。皆でご飯を一緒に食べて、皿洗いは夫が担当、その間に私が洗濯物をたたんだり。
なので、私だけが大変なのではなく、2人で大変です(笑)
昨日も夫が子供たちを見ていて、私がイベントに描きに行ってました。

―ぜんごさんの作品って、とても独特なスタイルだと思うのですが、
ご自身の作風について教えて下さい。

元々デザインが好きで勉強していたこともあって、本の装丁とか駅のポスターとかお店の看板とか…、街中のデザインをよく参考に見ています。「面白いデザインだなぁ」って勉強になるものが、結構あるんですよ。もちろん絵だけではなく、文字や写真やレイアウトなど、そういうのを総合的に取り入れているの
かなと思います。

―影響を受けたアーティストはいますか?

パリのポスター画家でサヴィニャックという人の作品が好きですね。あとスウェーデンのデザイナー&イラストレーターのオーレ・エクセル。日本人だとトリスハイボールで有名な柳原良平さんや、平田利之さん、最近は長場雄さんにも影響を受けています。

―この仕事のやり甲斐って、どんな時に感じますか?

「ありがとう」と言ってもらえることです。これまで色々な仕事をしてきましたが、お金を払ってくれる人から「ありがとう」と言ってもらえた事は、初めての経験でした。今では自分も買い物をした時などは、意識して「ありがとう」と、言うようにしています。

―将来の目標などはありますか?

それがないんですよね(笑)
「アーティストとして生きていく」というような気持ちも特にはなくて…。でもそれが自分らしいと思っていて。私は「これじゃなきゃダメ」っていうのがなくて、やり出して面白ければ夢中になれるタイプなので、
分野はそんなに問わないんですよね。しいて言えば、自分にとって夢中になれる「ワクワク」を探していきたいですね。今はそれが似顔絵なんです。

―これからの協会に期待することは?

今の形はとても良いと思っています。会社に属している人やフリーの人など、いろいろな人たちが、一緒に学びを得ることが出来るのがいいですね。。
最近読んだ本に、こんなことが書いてありました。
アフリカの言葉で、
『早く行きたければ一人で行け
遠くに行きたければ皆で行け』
これ、今の協会っぽいな、と思いました。
いままで一人で早く向かってた人たちが、一緒になってより遠くを目指して向かってる感じが、協会そのものって感じです。みんなでより遠くに行けたらいいですね。

あとは、協会にもっと多様性があるといいなと思います。
たとえば今の理事は30~40代の男性のみ。女性を交えたり、若い人も入れて、多様性のある協会になったら、もっと色んな人たちの受け皿になれるかなと。今は絵にストイックな協会という印象が強いと思うので、そうすることで間口をもっと広げられるんじゃないかなと思ってます。インタビューや勉強会はとてもいいですね。協会の提供するコンテンツにも、より多様性が出ることを期待しています。

―ぜんごさん、ご協力ありがとうございました。

【プロフィール】
ぜんごゆうこ
フリーの似顔絵師。1978年東京生まれ。
デザインの専門学校を卒業後、本の編集プロダクションへ入社。
退社後、夫の影響で2004年から似顔絵を描き始める。
現在は関東を中心に、主に企業イベントにて活動。
<顔きち堂>
http://www.kaokichi.com