■Member Interview vol.23
『かがみゆきさん』
(聞き手:Kage)
全国各地で活躍する、
日本似顔絵アーティスト協会の皆様の
多種多様な考えや働き方をご紹介するMember Interview。
今回は、岩手県盛岡市を拠点に活動されている、「かがみゆき」さんにご登場いただきました。
かがさん(以下K): よろしくお願いします!
―まずは今回、Draw Your Dreamセミナーにご参加頂きまして、ありがとうございました!名古屋の勉強会にお越し頂きましたが、かがさん、たしか岩手ご出身ですよね?
K: ハイ!飛行機の都合で、東京へ行くより名古屋へ飛ぶ方が行きやすかったので、こちらに決めました!
―飛行機で!わざわざ遠くから…本当にありがとうございます!セミナーはいかがでしたか?
K: 驚いたのは、参加する生徒さんの多さです。1教室では入り切らずに、2教室で開催されていることに驚きました。ボウさんのセミナー内容も、ディズニー•ファインアートの作品から過去に作っていたコメディ•ショーのポスターまで、制作のプロセスを詳しく聞かせてもらいました。すごい情報量でしたが、すべて興味があるものばかりで、今後の作品を作りに大変勉強になりました。
―今回はいつもと違って、描き方よりアイデアの生み方に主題を置いて構成を組みました。ボウも喜びます!伝えておきます!
K: ありがとうございます!
―似顔絵をはじめたきっかけを教えて頂けますか?
K: 子供の頃から絵を描くことが好きでした。高校はデザイン課で3年間を過ごしました。ふとある時思い立って、個性豊かなクラスメイト全員をまとめて描いてみようと挑戦しました。なかなか特徴を掴みづらい人とかもいて、苦戦しながら、長い時間をかけて完成させました。この時の達成感は今でも忘れられません。この作品が似顔絵師としての自分の原点になっています。
―良い絵ですねぇ。キャラがうまくまとまっていて漫画の表紙みたいです!
K: 卒業後は、小さな総合商社のシルクスクリーン印刷の製版部門でイラストを描きながら版を作っていました。当時は記念品やチラシにに入れる似顔絵の依頼も、直接依頼がありました。ある日、イベント会社に勤めていた同級生から、イベントで似顔絵を描いてみないかと声をかけてもらったことが、対面で似顔絵を描くきっかけになりました。
―そこから似顔絵の魅力に惹かれていって現在まで続いているわけですね。
K: そうなんです。以前は会社員をやりながら似顔絵を描いていましたが、続けていくうちにもっと似顔絵と向き合う時間が取りたくて、退社を決意しました。現在は似顔絵を中心に、イベントやクラフトマーケットに出店をしたり、受注での作画をしながら、空いた時間にアルバイトをしています。
―すごいなぁ。似顔絵を生活の中心に構えたわけですね。勇気のいる決断だったと思います。
K: でも似顔絵を中心にしたことで、自分の気持ちも楽になりました!
K: ハイ!まずは、たぐさんです。初めての似顔絵のイベントで仕事をさせて頂いたのが、岩手で毎週TVに出ている人気の似顔絵師である、たぐさんと、でした。たぐさんとの出会いから、どんどん似顔絵の世界が広がっていきました。たぐさんは毎週TVの生放送で、イラストを描いています。また、イベントでは1日にたくさんの似顔絵をを描いていて、リピーターさんもたくさんいて、本当にすごいなぁ…と思っています。
次は、kageさんです。もっと自分の絵にメリハリを持たせたいと悩んでいた時に、ネットでカリカチュアジャパンの体験教室があることを知り、参加しました。そのときkageさんご本人もいらっしゃって、私がどう描こうか悩んでいる時に、目の前で描いて下さいました。あの時に見た綺麗なラインワークと、ユニークな表現が、衝撃でした。
―嬉しい!ありがとうございます!
K: もうお1人は、宮地真一さんです。東京タワーで宮地さんを見た時に、絵は勿論ですが、描いている姿がパフォーマンスのひとつのようで、とても印象的でした。ただ黙々と描くのではなく、描いている時間もお客様を、ワクワクさせないといけないんだと学びました。
―宮地君は似顔絵業界にとって、決して忘れてはいけないレジェンドの1人です。2000年初頭のISCA(当時NCN)で、最も活躍した日本人です。僕は個人的にも仲が良かったのですが、彼の背中をずっと追いかけていました。
K: 最後に、mikiさんです。デザインタッチが素敵で、現場の絵も愛らしくて、ずっと飾っていたくなる憧れのタッチです。自分もそう思える絵を描きたいと思っています。
―美しいですよねぇ。僕もmikiさんの絵の大ファンで、個人的に作品を購入させて頂きました!
ところで、かがさん!国際大会にも積極的に参加をされていますよね。これまでどれくらい行かれましたか?
K: ISCAは2017年オーランド大会と、2018年のサンディエゴ大会、2023 年のロサンゼルス大会です。2024年は韓国大会に行って、今年はJAPANGRANDPRIXに行きました!
―なかなか日本人でもこれだけ積極的に参加される方は少ないと思います。すごいですね!かがさんが国際大会に参加する理由を教えて下さい。
K: とにかく楽しみたい!と思って参加しています。後半は気持ちが辛くなったりもしますが、自分の中の出せてなかったものが出てくる、良い機会です。
―アドレナリンが出まくって、ランナーズハイになる瞬間ですよね。すごくよく分かります。皆さん、どうしても結果を気にしちゃうから、必要のないプレッシャーや恐怖を感じちゃいがちですが、本当に楽しい時間ですよね。
K: 本当そう思います。世界のアーティストが作品を描いているところを間近で見られるし、たくさんの海外から集まったアーティストさんたちと交流ができることも楽しいです。わたし、、大会期間中は顔のことを考えすぎて、最終日になると、部屋や床の模様、壁に飾ってある抽象画まで、全部顔に見えてくる錯覚に見舞われます!
―ハハハハハ!メチャ分かります。僕は寝ながら頭の中で絵を描いてることもあります。まさにランナーズハイ現象ですね。
K: 最初は漠然と、似顔絵の世界大会ってどうなんだろう?と思っていた程度でした。ある時、岩手で勉強会を開いてくださったkunikazu.さんから、言葉の壁はサポートするので、参加してみない?とお誘いを頂いたんです。そこで世界のアーティストたちって、どんな絵を描くのだろう?夜通し描くってどんな感じだろう?などなどと、興味が湧いてきて、勢いで参加してしまいました。

―かがさんが感じる、この仕事の魅力、やり甲斐はどんな所にありますか?
K: 絵のなかでは現実では叶わないような夢を叶えることが出来ることです。たとえば遠く離れたお孫さんとおばあちゃんを一緒に描くこともできるし、行きたい所にも行けるし、なりたい姿も、楽しい思い出も、紙とペンがあれば表現できます。そして、絵を見せた時のお客様の喜びをその場で感じることができることも、この仕事の喜びです。プレゼント用に作成した絵も、お渡しした後の報告をしてくださったり、リピートで再注文してくれたり、こんな時はとても嬉しいです。毎年、成長記録に描かせてくれるお子様たちがいます。どんどんと大きくなり、まるで親戚のおばさまのような気分です。
―そこは他の絵の仕事と明らかに違う所ですよね。そんな、かがさんの将来の夢などあれば、教えて下さい!
K: 会社を辞めて、今は時間の調節が自分で出来るようになったので、色々な所へ行って、気になる似顔絵師さんに会いに行きたいです。これはコロナ禍のどこへも行けない時に強く思ったことです。そして、色々な場所に行って、似顔絵を描いていきたいです。
―かがさん、素敵なお話をたくさん聞かせて下さって、ありがとうございました。帰りも飛行機?
K: いえ、帰りはフェリーで帰ります。21時間かけてのんびりと!
―えー!すごい!くれぐれもお気をつけて。ありがとうございました!
K: ありがとうございました!
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かがみゆき
1970年 岩手県盛岡市生まれ・在住
1989年 岩手県立盛岡工業高校デザイン科卒業
2009年 似顔絵師として活動を始める
◆Instagram
https://www.instagram.com/miyukikaga/
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「Member Interview」の過去記事はこちらからご覧いただけます。
https://nigaoe-artist.com/category/member-interview/




