Member Interview vol.25

■Member Interview vol.25

安楽雅志さん』
(聞き手:Kage)

全国各地で活躍する、
日本似顔絵アーティスト協会の皆様の
多種多様な考えや働き方をご紹介するMember Interview。

今回は名古屋で活躍されている、
安楽雅志さんにご登場頂きました!

―(Kage)安楽さん!お久しぶりです!

安楽さん(以下 A): ご連絡いただき光栄です!

―(Kage)僕と安楽さんの出会いは2003年。22年も前!あの時、僕はISCA(当時NCN)初出場で、知り合いが誰もいない中

で、安楽さんご夫妻がとても優しくして下さって。本当にありがたく思っていました

A: 僕は前年の2002年に初めて出場させていただきました。当時、テレビ東京の人気番組「TVチャンピオン」に出場した

ことがきっかけで、こういう大会があることを知りました。TVチャンピオンで結果が振るわなくて悔しい思いをしていた

ので、ここで雪辱を晴らしたい!と思って参加しました。

―(Kage)たしか2002年はラスベガスでしたね。僕は当時、米国の大学に通っていて、授業が休めなくて断念しました。

初めての大会はいかがでしたか?

A: 一言で言うと、刺激に満ちていました!100名近い参加者が一同に会して、黙々と、にぎやかに、似顔絵を描いていま

した。印象的だったことは、あの頃、エアブラシ全盛で、会場がエアブラシの煙がモクモクとしていました。そして、

24時間描きっぱなしの環境。いつもは短時間で似顔絵を描いていたのに、1人のモデルの方に好きなだけ時間をかけて描

ける機会は、最高の至福でした。眠るのが勿体なくて、思う存分に似顔絵に没頭できました。

―(Kage)あの大会は日本人が大活躍しましたね!

A: そうなんです。「TVチャンピオン」に共に出場して優勝したJEROさんをはじめ、田畑さん、宮地さん、佐々木さん、が

いました。自分も成果を上げようと、内心思っていたのに、「ここにまでいる!」と何か悪夢に追いかけられている気分

になりました(笑)。皆さんはたくさんの賞をいただいていて、格の違いを見せつけられました(爆)。

―(Kage)独特な興奮とプレッシャーがありますよね。

A: 悔しくて、2003年と2005年に、再度トライしました。段々と、勘所が見えてきて、「こういう絵を描けばアメリカの方

にはウケがいいのかな」、「このモデルの方を描けば共感いただけるかな」、など知恵がついてきました。お陰様で2005年

にデザイン部門で1位をいただくことができました。

―(Kage)努力が報われた瞬間ですね!

A: そこで似顔絵に一区切りがついたというか、満足出来た部分がありました。

―(Kage)僕は、安楽さんに感謝していることがもう1つあります。それは私たちが初めて日本大会を開催した時のことで

す。あの頃は業界間の交流がまったく無かったので、同業の企業からなかなか協力を得難い状況でしたが、安楽さん率い

る「お絵かき隊」だけはとても温かったんです。現在、事務局長を務める山盛と2人で名古屋へご挨拶に伺った時のこ

と、安楽さんは笑顔で優しくお迎え下さった。そして大会には15人も引き連れて来てくれました。会場で皆さんを見た時

は、涙が出るほど嬉しかったことを憶えています。

A: 当時の私がせめて出来たことが「参加で応援」でした。本当はスポンサー支援もしたかったのですが叶わなくて、

申し訳なかったと思っています。

―(Kage)あの頃のお絵かき隊のメンバーたちって、かわいい屋号とは裏腹に、個性が強くて、似顔絵に熱いアーティスト

がたくさん在籍していましたよね。

A: 「お絵かき隊」は、横地あおいさんという方が創った似顔絵グループです。すこし横地さんの説明をします。横地さん

は下描きなしで描く「早描き」が得意でした。他にも左右の手で同時に2人の顔を描いたり、獅子舞の姿で舞いながら大

きな壁に似顔絵を描いたりと、この絵の魅力を様々な形で広めたすごい方です。ちなみに結婚披露宴で列席者全員を描く

「ブライダルアート」は横地さんの発明です。1人で100名近いゲスト全員を描く圧巻の凄技は、お絵かき隊の大きな商材

となりました。自分も横地さんには及びませんが、身につけさせていただきました。当時は、有吉さん、金井さん、

Kunikazu.さん、伊藤康さんなど、凄いアーティストが集まっていました。皆で切磋琢磨しながら、10年間で10万人くら

い描かせていただきました。

―(Kage)そんな安楽さんが似顔絵を始めたきっかけは何ですか?

A: 自分は学生時代、中国に留学をしていました。90年代当時の中国は日本で言うと「昭和」の雰囲気があって、街は土煙

が立って何か躍動を感じるものがありました。現地で将来のビジネスに繋がる種を探していたところ、「切り絵で似顔絵

を描く人」に出会いました。

―(Kage)僕が米国でカリカチュアと出逢った経験と似てますね!

A: そうなんです。米国と違って、当時の中国では熾烈な安売り合戦が繰り広げられていました。その壮絶な様を見て、自

分のオリジナル商品を売っていった方がレッドオーシャンに巻き込まれないだろうと、「絵を描く仕事をしよう」と思い

がめぐりました。試しに大学の学園祭で「切り絵の似顔絵屋」をやってみたところ、思いのほか好評で似顔絵をやってみ

ようと決意をしました。

―(Kage)そこでお絵かき隊と出会うわけですね!

A: 当時、ベイシティと呼ばれていたイオンのショッピングモールで、「似顔絵師募集」の張り紙を見て、門を叩きま

した。

―(Kage)そんな安楽さんは現在、似顔絵に留まらず、多岐に渡って広く活躍されています。他の分野にチャレンジし

ようと思ったきっかけは何ですか?

A:2005年の受賞をきっかけに、一定の満足をしたんです。似顔絵全集中はこれで区切りがついて、違うテイストで

色々とやってみたいと思うようになりました。町の地図、店の看板、テレビのお仕事、絵本の出版など。似顔絵の仕

事は今は全体の1%程度です。心がけていることは絵の仕事のジャンルは隔たらないように気を付けています。

―(Kage)似顔絵全集中時代の膨大な経験と、そこで裏付けされた能力があってこそ、ですよね。実際、どの展示会へ行っ

ても、安楽さんは出店している。必ずお会いします。打席に立ち続けている姿は、本当にスゴイと思います。

A:人のご縁が宝だと思っています。大きなイベントもそうですが、小さな下町のイベントでも、顔を出すのが大事で、

毎年出ていると少しずつでも、仕事になるんです

―(Kage)それと、僕がいつも驚くのは安楽さんの膨大な商品の数!

A:「創作に勝る営業はない」というのが僕の考えです。創作してはトライ&エラーを繰り返しています。

―(Kage)印象に残っていることがあります。とある展示会に行った時のこと、安楽さんにご挨拶をした時、お仕事

を手伝っているお子さんたちがいました。

A:ウチは家業だと思っているので仕事は子供にも見せます。僕は仕事とプライベートを分けないで融合しています。

仕事の大半は自宅で行うのですが、こうして家族が暮らしているんだよ、ということを子供には見せたいと思ってい

ます。と、いっても365日働いてはいるけど、2時間しかやらない時もあるし、13時間働く日もある。あまり設定を決

めずに、ゆる~く、やっています(笑)。

―(Kage)ゆるくはないと思うなぁ。でもこれが長年猛烈に取り組んできた中でが辿り着いた、安楽さんの生きる本質なの

かもしれないですね。

A:自分は、人は「幸せになるため」に生きていると思います。頑張ることが目標ではないです。勿論、努力は必要で

す。楽して得したいとも思っていないです。でも余計な負荷をあまりかけたくないんです。

―(Kage)胸に沁みる言葉ですね。最後に、そんな安楽さんの、今後の目標はどんなものでしょうか?

A:一生絵を描く仕事をして死にたいです。自分の描いた著書で飛躍していくこと、これが目先の目標です。そして地図

の絵本を来年に出すこと。これも大きな目標です。何かで一番とかはありません。

―(Kage)今日はありがとうございました!

A:ありがとうございました!


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◾️安楽雅志さん  プロフィール
広島県出身。名古屋市在住。

名古屋の似顔絵グループ『お絵かき隊』の2代目隊長(2005年~2015年)。
10万人以上の似顔絵を描く。TVチャンピオン似顔絵選手権(テレビ東京系)出場。アメリカ似顔絵大会(当時
NCN 現ISCA)にて2005年デザイン部門で1位。
2017年、「ひげラク図絵社」として独立。昭和の日本をダイナミックに表現したいという思い
から、「レトロ、ユーモア、ダイナミック」をテーマに、絵はがき、店舗の壁画、看板制作、
鳥瞰図(イラストマップ)を手がける。パリで個展。国内外で展示会出展多数。

絵本作家として「カレー地獄旅行」(パイ・インターナショナル)。
「じごく小学校」(作:有田奈央画:安楽雅志 ポプラ社)はシリーズで17万部発刊。

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Member Interview」の過去記事はこちらからご覧いただけます。
https://nigaoe-artist.com/category/member-interview/

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