NPO法人 日本似顔絵アーティスト協会

Member Interview vol.21


Member Interview vol.21

『増田健一さん』

(聞き手:Kage)

全国各地で活躍する
日本全国の似顔絵アーティスト協会の皆様の
多種多様な考えや働き方をご紹介する、
Member Interview。

今回は、カリカチュア・ジャパン(株)の二寧坂店でリーダーとして働きながら、23年の日本大会・世界大会に初出場。数々の賞を受賞し、誇張部門ではどちらも1位を獲得された、増田健一さんに登場いただきました。

—(Kage)まずはISCA世界大会誇張部門優勝、
総合5位入賞、おめでとうございます!

増田さん(以下M):ありがとうございます。
ISCAは入社以来、憧れの舞台だったので感激でした。

—ご説明致しますが増田さんはカリカチュアジャパンの社員で、
僕とは上司と部下の関係になります。いつも通りマスケンでいいかな?

M:はい。マスケンでお願いします!

—マスケンは今回ISCA初挑戦でしたが、参加してみてどうでした?

M:感激でした!毎日SNSで見ていた憧れのアーティストが目の前にいて、
お話しも出来て、一緒に作画も出来て。夢のようでした。それから自分の
描きたい絵に没頭出来て、とても贅沢な時間でした。

—マスケンにとって世界大会までの道のりは平坦ではなかったよね

M:そうですね。10年以上かかってしまいました。

—でも2023年のマスケンの努力は本当にすごかった。気迫がありましたね。

M:3月の日本大会にも出たかったけれど選ばれなくて。ウチの会社では
選抜されたメンバーは招待で連れていってもらえる特典があるんですが、
この時ばかりは自費で構わないから「どうしても行きたい!」と思いました。

—同じエリアから1名確定してしまうと2人目は人員的に厳しい状況でした。

M:皆に迷惑をかけることになると分かっていました。でもこれを逃したら、
また2年日本大会は行われないしISCAへの出場も遠のいてしまうと思って。
迷惑をかける分、気持ちを出して良い絵を描いて、良い結果を出して、
仲間たちに良い影響を与えられるようになりたいと思っていました

—あの時、総合10位と誇張1位を取れたんだよね。

M:はい。でも…Kageさんには結果自体は褒めて頂いたんですけど、次の
目標を聞かれて「ISCAの総合優勝です」と伝えたら、「あの壁じゃダメだ」と
厳しいご指摘を頂きました。でも具体的に色々なアドバイスを頂けたお陰で
自分の技術を客観的に見れて、甘い部分を1年かけて改善出来ました。
この努力が、結果的に力を発揮出来たと思っています。

—これは2人の秘密にしておこう(笑)。結構突き詰めた話をしたよね。

M:はい。あのアドバイスのお陰だと思って感謝しています。

—マスケンの働く二寧坂店は今、相当忙しいけど、いつ練習してたの?

M:まず奥さんに自分の目標を伝えて理解してもらいました。
お休みの日もずっと描いていました。2人でよくカフェに行くんですけど、
そこでも僕はずっと描いていましたが黙って本を読んだりして受け入れて
くれていました。

—すごい良い奥さんだよね。いつもマスケンを応援してくれて。
入社が決まった時も、東京まで奥さんも一緒に来てくれたんだよね
マスケンの配属先となる渋谷店に2人を連れていった日のこと覚えてる?
3人で渋谷のOUTBACK STEAKでランチしたよね。何とも重たい雰囲気で
食べたことを今でも覚えているよ(笑)。

M:Kageさん、いつもそう言いますけど、僕らは楽しかったですよ。

 

—そう!?僕の方が気を遣ってたのかも(笑)。マスケンは何でこの道を目指したの?

M:僕は大阪の美術専門学校に通っていたんですけど、当時、心斎橋に似顔絵を
描いている人たちが結構いたんです。それを見て「面白いなぁ」と思いました。
それで僕も友達と一緒に路上で描いていました。高木祐介さんもいましたね。
それがすごく楽しくて。でも、似顔絵を仕事に出来るとは思っていなかったので、卒業後はゲーム会社に就職しました。ただ、ゲームが好きだったわけではなかった
ので、他の方々と比べて僕にはゲーム愛が足りませんでした。そんな時、Kageさん
の本をamazonで見つけて読みました(「好きなことだけやればいい」あさ出版)。

—読んでくれてたんだ⁉

M:ハイ。まず「格闘技から似顔絵」という流れが、小学校から大学まで武道を
やっていた僕にとって親近感が湧きました。それにこんな会社があるんだ!と
驚きました。カリカチュアジャパンの存在を知ってからはアーティストのブログを
読むのが日課になりました。そしてある日、新京極にお店がオープンすることを
知りました。

—京都初出店の日、お客さんで来てくれたんだよね!

M:あの日は仕事を休んで行きました。とても興奮したのを覚えています。

—そこからプロコースへ来たんだ。

M:毎週夜行バスで浅草まで通いました。大変でしたが、でも33歳になって
学校に入って憧れの絵を学べて。本当に楽しかったです。梅田の歩道橋に
座って練習したり、大阪城の近くの公園で描いたりしていました。

—あれから10年。現在は地元・京都の二寧坂店のリーダーですね

M:はい。店長として、店舗の商品開発、予算管理、シフト作成、新人育成、
外部営業など忙しくやらせて頂いています。それから僕たちのお店がある二寧坂は
「古都に燃える会」という町会がありまして、そちらの会合や関係作りも大事な
仕事の一つです。店前は外国人観光客や修学旅行生など人の往来がとても激しいの
ですが、京都の街並みや文化を守ることが義務づけられているので、大声で接客
したり笑い声が響くとすぐに注意されます。開店当時は勝手が分からず、よく呼び
出されてお叱りを受けました。「キャッチちゃうねんで!」って。

—伝統保存区域だからね。皆の活躍のお陰で僕もよく呼び出されてたよ(笑)。
最後に。マスケンの今後の目標を聞かせて下さい。

M:今年のISCA世界大会に出て、夢のGolden Noseyを獲得したいです。
この1年SNSを通して世界中のアーティストと交流をします。1月は新しい画材で
「Caricature Resolution」にも挑戦しました。たくさんのアーティストが1ヶ月間、同じモデルを描くのはとても刺激的で勉強になりました。今年は手描きでたくさん描いていきたいです。
あとは好きな格闘技を描いて仕事にしたいという夢もあります。

—マスケン、今日は忙しい中ありがとう。期待しています。

M:はい!こちらこそありがとうございました!

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受賞歴

2023年ISCA世界大会
/Caricaturist of the Year  / 総合5位
/Outstanding Exaggerated Style  / 1位
/Ismael Roldan Award Rookie of the year / 1位

2023年JAPAN GRANDPRIX/総合10位/誇張部門1位

◆ホームページ

カリカチュア・ジャパン アーティスト紹介ページ

◆Instagram

https://www.instagram.com/cj_masuken/

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Member Interview」の過去記事はこちらからご覧いただけます。
https://nigaoe-artist.com/category/member-interview/